『建築条件付き』土地は、売主にとってはメリットが多いですが、買い手にとってみれば厄介なものです。できれば条件を外したいと考える方は多いでしょう。

しかし、建築条件が付く土地は好立地の分譲地であることが多く、売り手側も多少強気に出ています。まだ売り出したばかりであったり、分譲住宅全体の景観を整えたいと考えている建築会社が相手だと、建築条件を外してもらうことは難しいでしょう。

交渉次第 ?建築条件を外してもらえるケースも

しかし、交渉次第では建築条件を外してもらえるケースもあります。売主は、住宅建築によって利益が得られる前提で、良い立地の土地を割安で、建築条件付きにして売りに出しているわけです。ですから、建築によって得られるはずだった利益を土地代に上乗せして支払うことで、建築条件を外してもらえる可能性が高くなります。大体、土地代に対して1割から2割上乗せされることが多いようです。建築会社側の資金繰り的な事情で売却を急いでいる場合は、交渉がしやすくなるようです。しかしこればっかりは運しだいですね。上乗せされることで相場からかけ離れた価格になるのでしたら諦めた方がよさそうですが、相場よりも少し高い程度でしたら条件の悪い土地を渋々購入するよりはるかにマシです。

また、もう1つの方法が、自分が建築を依頼したいと考えているハウスメーカーさんに間に入ってもらい、建築条件を外す交渉をしてもらうことです。売主=建築会社だと難しいかもしれませんが、仲介している不動産業者の場合、複数の建築会社と懇意にしていることはあります。意外と交渉の余地があるかもしれません。この場合も、多少の土地代UPは覚悟をしておかなければなりません。

思いのほかあっさりと建築条件が外れることもあります。それは、分譲地の『売れ残り』であった場合です。分譲地の最後の一画だけずっと売れ残っている、などといったケースの場合、あっさりと建築条件を外してくれる場合もあります。ただし、こういったケースの場合、売れ残るくらいですのであまり魅力的な土地ではないかもしれません。

交渉は早く・スムーズに。

いずれにしても、建築条件を外す方向で交渉が進められたとしても、契約する前に「建築条件付きで購入します」という方が他に現れてしまったら、当然ながら売主はそちらを優先します。建築条件を外す交渉は、なるべく早くスムーズに、時には諦めることも大切です。